水質浄化
効率的にオゾン水とOHラジカルを生成
ダイヤモンドはその希少価値から宝飾用として扱われていました。その後、量産化の技術が確立され、その物質的優位性である硬さの面から、現在は主に切削工具などに使われています。
ダイヤモンドは元々、絶縁体で電気を通しませんが、ホウ素をドーピングしたダイヤモンドは電極として使え新たな用途として注目されています。
ダイヤモンド電極で、オゾンガスよりも安全なオゾン水を生成できます
導電性のダイヤモンド電極を用いて、水を電気分解する事によって「オゾン水」が生成できます。
オゾン水とは、オゾンとOH(ヒドロキシルラジカル)が溶解している、殺菌、殺ウイルス、難分解性有機物分解作用が高い水のことです。
空気と水で比較した場合、同じ濃度であれば水中にオゾンを溶解させた方が分子数も多く、効果が高いといえます。
また、オゾンガスより安全で、液体なので扱いやすく、対象物へ効果的に作用できます。
オゾン(O3)は不安定な分子であるため、オゾンの状態で長時間存在することができず、酸素原子(O)を1子放出して酸素分子(O2)に戻ろうとする性質を持っています。
自己分解された酸素原子が水中分子(H2O)から水素原子(H)を奪うことにより、OHラジカルの生成が起きます。
OHラジカル電子が不足した不安定な状態であるため、自身が安定するために近くの有機物から電子を奪い取ります。また、反応性が高く、協力な酸化力を持っているため、電子を奪われた有機物は結合を分解されます。この作用により、殺菌・脱臭・漂白などの効果が得られます。
オゾン水は強力な酸化作用を持っており、殺菌・防カビ・脱臭に効果を発揮します。下の表で各種酸化剤の酸化還元電位を見てみると、オゾン水+OHラジカルはフッ素に次いで2番目の位置にあり、強い酸化作用を持つことがわかります。
またオゾン水は、菌やニオイの原因物質に反応した後、酸素に戻る性質があります。つまり、オゾン水は残留性がありません。
アルコールなどの他の殺菌方法では、細胞壁、細胞膜、染色体を破壊できませんが、オゾン水中のOHラジカルは破壊することができるため、細菌、ウイルスなどを一瞬にして死滅(酸化・分解)させることができます。
また、ニオイに対しては、ニオイの原因である有機物質を編成させることで、脱臭することができます。
長時間その構造を保てない不安定なオゾン(O3)は酸素原子(O)を放出し酸素(O2)となる。 放出された酸素原子(O)は、あらゆる有機物と反応し酸化させ安定状態に戻る。 ウイルス、細菌などの細胞壁は瞬時に破壊され死滅される。
オゾンを溶解させた水は、オゾン(O3)から放出された酸素原子(O)が水(H2O)と反応して、OHと酸素(O2)を含む。
OHは活性酸素の一種で、周囲のあらゆる有機物と反応し、酸化させる。
その酸化力は気体のオゾンと比較し数百倍の力を持つ。
また、このOHがウイルス、細菌などを一瞬ににて死滅(酸化・分解)させるが、酸素に戻るため、塩素など薬品を使用した殺菌と違い残留物を残さない。
オゾン水は、様々な細菌やウイルスの除去に高い効果を持っており、医療機関で使用されるだけでなく、学校、保育園、老人保健施などでの消毒にも利用されています。
アルコ ール消毒が有効である新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスとアルコール消毒が有効ではないノロウイルスなどがありますがオゾン水はどちらのウイルスにも有効といわれています。
オゾンは既存食品添加物に認定されており、一部の食品及びその製造に古くから利用されています。
食品の味を損ねず、クロロホルムが生成されにくいので、腐敗を遅らせ、鮮度を保つ必要がある、カット野菜や食品原材料の食材洗浄に適します。
また、殺ウイルス、殺菌性を生かし、牡蠣や二枚貝等のノロウイルス感染対策として、洗浄や解凍に使用されています。
製紙工場で紙の漂白工程に利用されている塩素をオゾン水にすることにより、ダイオキシンの発生を抑えることができ、環境へのダメージを抑えることが可能です。
また、塩素などの薬品を利用し漂白していますが、オゾン水に変えることにより工場から発生する異臭もオゾンの有機物分解力を利用することで抑制することが可能になります。
リネン、タオルなどの漂白工程をオゾン水による漂白に変えることによって、二酸化炭素の排出や使用していた薬品コストの大幅な削減が可能となりました。接続可能な社会形成に貢献できることから注目されています。
また、オゾンによる漂白は2008年6月に公益財団法人 日本環境協会のエコマークの基準認定を受けており、正式に国が認めている環境技術です。
ダイヤモンド電極は、寿命が短くコスト高になることが普及しない原因でした。当社では、基盤製造などに新技術を用い剥離しないダイヤモンド電極を開発し長寿命を実現しました。
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